「神さまの御心」
Ａ. ビデオ礼拝よりも
「ビデオ礼拝よりも、本当の礼拝の方がいいな」と教会に通うE君が言いました。卓球部の試合で日曜礼拝を欠席し、夜一人ビデオで礼拝をしたE君が、皆で一緒に礼拝するから良いのだと感じたと言うのです。そして、卓球部の試合には、日曜日の午後から行くよう工夫することにしました。「安息日を覚えて、これを聖とせよ」とモーセの十戒にある（出エジプト20章）。礼拝に出ることは、私たちの魂のために、習慣化すべきことなのです。
伝統や習慣には、重大な意味がある場合が多いのです。そのような習慣を守ることで、信仰を表し、御心を求めることは大切です。
Ｂ.聖書より
（20）人々はもうしばらく滞在するように願ったが、パウロはそれを断り、（21）「神の御心ならば、また戻って来ます」と言って別れを告げ、エフェソから船出した。使徒言行録18章20〜21節
エフェソの人々は、パウロに長期滞在を願いましたが先を急ぎます。そして、神さまの御心なら、また戻って来る、と言って別れを告げました。
御心を求めるには、まず自分の計画を立て、次にそのことを神さまに祈ります。このような態度をとっていくと、いつのまにか、最初の計画通りにいくかいかないかは別として、神さまの御心の方へ導かれて行きます。パウロは、神さまの御心によって、再び紀元52年の秋にエフェソを訪れています。このような、神さまの御心を見出す信仰の応用の仕方が分かってくると、信仰生活は楽しいものとなるのです。
Ｃ. 100戦無敗の不動産投資家 元アイドルの沢田富美子さん
1980年代初め、アイドル歌手として活躍した沢田富美子さんは、現在、麻布や赤坂に、複数のオフィスビルを所有するクリスチャンの不動産投資家として活躍しています。その著書『100戦無敗の不動産投資術』（角川書店）や講演活動を通して、聖書の教えに従ってビジネスを展開していることを証ししているのです。
富美子さんは、アイドル時代から不動産が趣味で、給料や祖父の遺産を元手にマンション購入、不動産投資を開始しました。芸能活動引退後は、画廊として成功しますが、理想の男性と出会い、一旦家庭に入ります。ところが、妊娠七カ月で幸せの絶頂にいた時、夫が食道がんで、息子を残し天に召されます。「生きていることが苦しくて、何度もベランダに出て、死ぬことを考えました。･･･もう力尽きて、生命力のかけらもない状態でした」と富美子さんは当時の苦しみを語ります。
ある日、同じマンションに住む友達が一本の録音テープを渡してくれました。それには、「恐れるな、恐れるな」というメッセージが繰り返し入っていて、なぜか心が落ち着き、擦り切れるまで聞いたといいます。ある日、テープが切れた時、今日こそ本当に彼の元に行こうと玄関で一人しゃがみ込んでいたところ、突然テープをくれた友達が玄関に現れ、ぎゅーっとハグしてくれました。何か胸騒ぎがしたと駆けつけてきてくれたのです。その優しさに触れた途端、富美子さん自身の深いところから、「恐れるな、恐れるな」という言葉がこみ上げてきて、希望の光が心に灯りました。テープが牧師のメッセージだと知ると、富美子さんは、彼女に頼んで教会へ連れて行ってもらい、聖書を一日何時間も勉強し洗礼を受けました。「私は、何か特別な目的を持って、神様に創られ、命をかけるほどに愛されて、今を生かされている。･･･そのままで、いいよ。傷ついたままで、いいよ。私がともにいるから。だから、このままの私で、生きてみようと思ったのです」と彼女は言います。
元気になると富美子さんは、かつて好きだった不動産投資を再開します。ある土地を買おうかどうしようかと決断を迫られた富美子さんは迷いに迷って、最後に神さまに祈り、聖書を開くと、「機会を十分に生かして用いなさい。悪い時代だからです」（エペソ5:16）という一節が目に飛び込んで来ました。高まる気持ちを抑えて感謝の祈りを捧げ、さらに聖書をめくると、「わたしは秘められている財宝と、ひそかなところに隠された宝をあなたに与える」（イザヤ45:3）という一節が目に留りました。これは、神さまのゴーサインだと確信しました。購入すると、他の都心は下がっている時期に、その土地だけ六倍の価格まで上がりました。その後も、富美子さんはビルを増やして行きました。
彼女の著書を読んだある人が、アマゾンのレビューにこう記した。「最近世の中の価値観について迷いがあった自分にすごく良いインスピレーションを与えてくれました。私も聖書読もう！と思いました」と。
Ｄ.結び
全人類の救いを御心とする神さまは、その実現のために、各自を聖霊によって導いてくださいます。人の思いや言葉よりも、この御心を優先しましょう。クリスチャンは、人の思いや言葉よりも、聖霊の導きにより知る御心を優先しましょう。御翼2010年11月号その4より